映画ローンサバイバーの装備構成の思想、物語に対する私見について
映画 ローンサバイバーを見て、SEALs装備をやってみようと考えた人は多いかと思います。私もそのクチです。
本映画で登場する装備類や銃器類がどういったものなのか、他のサイトやブログでも詳しく掲載されておりますので、本ブログでは語りません。
ここで語りたいのは、映画ローンサバイバーのキャストたちの装備構成の思想に関して、ちょっと語ってみたいと思います。
映画ローンサバイバーは、著書「アフガン、たった一人の生還」が原作であり、本作のモデルとなったのはレッド・ウイング作戦です。
このレッド・ウイング作戦に参加したメンバーのうち、生き残った隊員である「マーカス・ラトレル氏」が本著者です。
ラトレル氏は、映画ローンサバイバーにおける、俳優たちへの戦術的な演技指導や実際に役者として参加しております。実際の作戦に参加していた隊員ですので、装備内容に関しても監修していると思います。
ここから、上の実際の隊員たちの画像と「ローンサバイバー」の画像との比較になります。ちょっと画像を比較しながら見てくださいね。
映画ローンサバイバーで、登場する役者たちが着用しているキャリア(胴部分に着ているポーチ盛り盛りの部分)は、ほとんどRRV(ローデシアンリーコンベスト)ですが、実際のST-10のメンバーは、RRVだけでなく他のキャリアを使っている隊員もいます。
ラトレル氏本人も、RRVとは別のCIRAS(サイラス)というキャリアを使用しております。
こうした違いについてですが、当時のSEALsに支給されていたキャリアには、RRVやCIRAS・MBSSなどありましたので、時代に合わせるという意味において、RRVはなんら可笑しくありません。
また、 RRVにつけているポーチ類に関しても、速いリロードをできるように、手の届きやすいところにマガジンポーチ、側面部にグレネードポーチ、ユーティリティーポーチなどをつけています。この点についても、実際の隊員たちの構成と比べても、思想は近いと思います。
映画内での作戦内容は、アフガンの山岳で、ヘリ降下から徒歩での目標到達・狙撃での暗殺ということもあり、軽量なRRVとウッドランドパターンのトップスとカーキパンツ、ブーニーハットのような組み合わせは、理に適っていると思います。
やはり実際の作戦に参加した、SEALs隊員が監修したということもあり、ギアの構成に関しても戦術・戦闘は、かなり思想を反映された形になっていると感じます。
私を含めたギアフリークス諸氏には、映画内での装備構成に関して、おいおいと突っ込みたくなる細かなところはありますが、万人が観る映画としては、とてもリアリティのある映画になってたと思います。
本映画は世間で、良くも悪くも話題となりました。
実際の作戦時に撮影していたタリバンの動画や、ラトレル氏を助けたグーラブ氏の証言と比較すると、映画の内容は事実と異なると、疑惑が上がりました。
その疑惑は間違っていないと思いますが、そもそも本映画は、当時の作戦を再現することが目的ではないと考えます。
私個人の意見ですが、この映画はレッドウイング作戦に関わり、亡くなった隊員たち、戦友たちを讃え、哀悼するため、残された戦友の家族たちに、その勇姿を感じてもらうためのものだったのだと思います。
長くなりましたが、今回はここまでにしたいと思います。